はじめに:RX1R IIIがついに発表!
2025年7月15日、ついにソニーから待望の新型高級コンデジ「RX1R III」が発表されました。
フルサイズセンサーを搭載した高級コンデジの最新機種として、写真界隈では瞬く間に話題となっています。2015年10月にリリースされた前モデルの「RX1R II」から10年近く経っての発表ということで、「もうソニーはコンデジには力を入れないのか」といった諦めムードが漂う中では歓喜の声が聞こえてきそうです。

長らく後継機の登場が噂されていたRX1Rシリーズ。
実は僕もこのシリーズの登場をずっと待ち望んでいた一人です。
というのも、現在、僕がメインで使用しているカメラはソニーのα7R Vに、レンズはこちらのブログでもよく紹介しているFE 24-70mm F2.8 GM II。6100万画素の高画素機ということで、最高の1枚を本気で撮るには良いのだけれど、その大きさや重さ、見た目からして外に持ち出すには「さあ、写真を撮りに行くぞ!」というそれなりの覚悟が必要となります(大袈裟?)。そこで、気軽にお散歩のお供として持ち出せるスナップ撮影にぴったりなコンパクトで高画質なカメラをずっと探していました。候補として挙がっていたのが、今回新型が発表されたSONYのRXシリーズや1インチセンサー搭載で小型ながら望遠200mmまで可能なRX100VIIなど。しかし、いずれも発売から年数が経っていたこともあり、「今さら旧世代の機種を購入するのもなあ」と購入に踏み切れず、そこで他メーカーにはなるけれど、富士フイルムのX100VIやリコーのGR IIIも候補に挙がっていました。
そんな中での突然の発表――これはもう、心がざわつかずにはいられませんでした。
今回の記事ではRX1R IIIのスペックをお伝えするだけでなく、このカメラの登場をきっかけに考えた、
「なぜ、いま“わざわざ”カメラで写真を撮るのか?」
ということについて、自分なりの視点で綴ってみたいと思います。
ソニーは写真向けコンデジを見捨ててはいなかった!
ここ数年、ソニーの動向を見ていると「ZVシリーズ」など、動画撮影を重視したVlogカメラに力を入れている印象がありました。実際に、Vloggerや動画クリエイター向けに特化した商品展開が目立ち、静止画向けの高級コンデジが登場する機会は少なくなっていました。
「もしかして、もうRXシリーズは終わったのかな……」
「静止画向けコンデジって、もう時代じゃないのかな……」
そんな風に思っていたからこそ、今回の「RX1R III」の発表は本当に嬉しいニュースでした。
ソニーはまだ、“写真”に向き合っている。そう思わせてくれました。
RX1R IIIの概要
仕様・発売日・価格
まずは、発表されたRX1R IIIの気になるスペックや価格、発売時期を整理してみましょう。
- レンズ:ZEISSゾナーT*レンズ
- 開放F値:F2
- 焦点距離:35mm
- センサー:35mmフルサイズ、Exmor R CMOSセンサー
- 有効画素数:静止画時: 最大約6100万画素、動画時: 最大約5080万画素
- AF:AIプロセッシングユニット搭載 被写体認識AF
- 液晶モニター:7.5 cm(3.0型)TFT駆動、タッチパネルあり、角度調節機能なし
- インターフェース:USB Type-C、HDMI、Bluetooth、Wi-Fi、その他
- 外寸(幅 x 高さ x 奥行):約113.3 x 67.9 x 87.5 mm
- 重量:約454 g(本体のみ)、約498 g(バッテリーとメモリカード含む)
- 記録メディア:SD(UHS-I/II対応)
- 発売時期:2025年8月8日予定
- 市場価格:約66万円
まずはなんと言ってもそのサイズ感。35mmフルサイズセンサーを搭載しながらも重量は500gを切る軽さ。しかもその小さなサイズの中に、これまでのαシリーズで培ったAIプロセッシングユニットによる精度の高い被写体認識や有効画素数6100万画素といった最新の技術が詰め込まれているわけです。まさに手軽に持ち出したいけれど画質も妥協したくない、というわがままな需要を満たしてくれる1台ではないでしょうか。地味に嬉しいポイントですが、インターフェースがUSB Type-CなのもGood。
個人的に残念な点として、レンズが先代のRX1R IIから変更なしということです。画素数が大幅にアップした反面、レンズが変更なしということでその描写に何かしらの影響があるのかが気になるところです。最近のソニーレンズはGレンズとGMレンズが主流ですが、今回は先代から変更なしのためZEISSレンズとなっています。そもそもRXシリーズはα系統ではなくSyber-shotシリーズとなるため、その点も関係しているのかもしれません。
もう一点残念なポイントとして記録メディアがSDカードのみという点も挙げられます。この価格帯であればCFxpressカードにも対応してほしかったところ。
そしてその価格ですが、なんと約66万円。読者の皆さんはこの価格をどう見るでしょうか。フルサイズセンサーの本体に35mm、F2の高級レンズが付いていると思えば妥当とも思えますが、少なくとも僕にとっては気軽に購入できる価格ではありません。
外観
次に外観を見ていきましょう。正面、上面から見た場合、全体的に無駄のないすっきりとした印象です。先代のRX1R IIからの変更点としては、ポップアップ式であったEVFが廃止となっており、その他のダイヤル等も突起がなくなりボディ上面がフラットになりました。α7Cシリーズやα6000シリーズに近い外観になったと感じました。

次に背面を見ていきます。操作ダイヤル系はよく見るソニーのαシリーズを踏襲しているように見えます。
今回、背面の液晶モニターがチルトでもバリアングルでもない固定式となっています。基本的にファインダーを用いる僕にとってはそれほど気にはならないのですが、やはりチルト、バリアングルのどちらもないという点は残念に思う方も少なくないでしょう。おそらく本体の軽量化やサイズの問題からこの仕様になったと思われます。

クリエイティブルックに「FL2」「FL3」が追加
あらかじめカメラにプリセットされている絵作りのための機能であるクリエイティブルック。RAW現像をしなくても撮って出しで自分好みの色を作ることができるソニーのカメラで馴染みの機能ですが、そのクリエイティブルックに新たなルックが追加されました。それが「FL2」と「FL3」です。「FL」というとクリエイティブルックの中でもフィルム調の色味が出せるということで人気のルックであり、僕自身もクリエイティブルックの中でもスタンダードである「ST」に次いでよく使用するルックとなります。その「FL」系統に2つのルックが追加された形となります。
FL2での公式作例

FL3での公式作例

こうして並べてみると青の色味が随分と異なり、FL3の方がシアンに近い印象を受けます。どちらも自分好みの色です。
ステップクロップ撮影機能
本機の焦点距離は35mmとなっており、スナップにはちょうど良い画角となっていますが、ボタンひとつで50mm、70mm相当の画角に切り替えることができる機能も備わっています。6100万画素という高画素センサーであるが故に、クロップしても高い描写力を維持することが期待できます。
RX1R IIIが発表された今だからこそ考える、スマホ全盛期にカメラで写真を撮る理由
ここからはRX1R IIIの発表を受けて、スマホで写真を撮ることが当たり前となった今、「なぜ高価なカメラを買ってまでそのカメラで写真を撮る必要があるのか」について改めて考えていこうと思います。
スマホでなんでも撮れる時代
いまやスマホのカメラ性能は飛躍的に進化し、誰でも気軽にきれいな写真が撮れる時代になりました。
HDRやAI補正、自動ポートレートモードなど、特別なスキルがなくても“映える写真”が簡単に撮れてしまいます。その一方で、あえてカメラを持ち出す人は限られてきました。街中で一眼レフやミラーレスを持ち歩いていると、 「なんでスマホでいいのにそんな大げさなカメラを?」と周りから思われることもあるかもしれません。それでも、カメラで撮る写真にはスマホでは得られない“感覚”があります。
カメラだから感じられること
僕がカメラを持つ理由のひとつは、「撮るという行為そのものを味わいたい」という気持ちです。スマホは便利だけど、その便利さの中では見逃してしまう感動があります。ファインダーを覗いて構図を考え、ピントを合わせてシャッターを切る。 その一連の動作の中で、僕たちは“風景”を“作品”へと昇華させているのかもしれません。RX1R IIIのようなカメラは、その「写真を撮ること」への没入感を深めてくれる道具だと感じます。

高いけど、それでも「欲しい」と思わせてくれた
正直、RX1R IIIは「簡単に買える価格帯」ではありません。性能に見合った価格なのは分かっていますが、コンデジとしてはやっぱり高価です。だから今回は「買う!」とは即断できませんでした。でも、それでも「欲しい」と思わせてくれるだけの魅力がある。小さなボディに詰まったフルサイズセンサー、洗練された操作性、そしてなにより「写真を撮ることが楽しくなる」その存在感。この機種は、単なる道具ではなく、「撮る喜び」を思い出させてくれるカメラだと思うのです。
まとめ:写真を撮ることの意味
僕にとって写真とは、「見る目を変えてくれるもの」です。
季節の変化に気づけるようになったり、何気ない風景が特別に見えたり、日々の暮らしがちょっと豊かになる。そういう体験をもたらしてくれるから写真は続けたいと思うし、写真をもっと好きになれる道具が欲しいと思います。

今回のRX1R IIIの発表は、「写真って、やっぱりいいな」と改めて感じさせてくれました。そして、僕のように写真が好きな人が、スマホとは違う「カメラで撮る楽しさ」をもう一度思い出すきっかけになるんじゃないかと思っています。
簡単に手を出せる価格ではないため、すぐに購入することは難しいけれど、ソニーが写真向けのコンデジにも本気で向き合っていくことが分かっただけでも個人的には嬉しいニュースとなりました。この調子なら僕にとっての本命であるRX100VIIIの発表もそう遠くないうちに実現するかもしれません。

※この記事に掲載している製品画像は、ソニー株式会社のウェブサイト「https://www.sony.co.jp/」に掲載されている画像を、利用規約に従って引用しています。

