はじめに:なぜこのレンズを選んだのか
ソニーのフルサイズEマウントを使う上で、必ず候補に挙がるレンズのひとつが「標準ズーム」。その中でもフラッグシップに位置するのが、今回ご紹介するFE 24-70mm F2.8 GM II(SEL2470GM2) です。

僕がこのレンズを購入したきっかけは、先日当ブログでもご紹介したα7R V。約6100万画素というモンスター級の解像力を誇るカメラの性能を引き出すにはそれ相応のレンズが必要だと感じました。本体が最強ならレンズでも妥協したくない。そんな思いで探し始め、最終的に選んだのがこのFE 24-70mm GM IIです。
▶️【徹底解説】SONY α7R V レビュー|長期使用でわかった高画素機のメリットと進化したAFの実力!【作例多数】
もちろん単焦点レンズの魅力も十分に理解しています。単焦点レンズは描写力やボケ量では確かに優れていますが、1本で幅広いシーンをカバーできるズームレンズはやはり実用的。特に初めての一本として「標準域のズームレンズ」を選ぶのは自然な流れでした。
価格は決して安くありません。新品で30万円台。購入を決意するまでに何度も悩みました。しかし、ブログやYouTubeでたくさんの方々の作例を見ているうちに「この写りこそ自分が求めていたものだ」と確信。さらに先代のFE 24-70mm F2.8 GMに比べて200g近くの軽量化、コンパクトさも僕にとっては大きな決め手となりました。普段から公共交通機関や徒歩で移動することが多く、荷物は少しでも軽い方がありがたいのです。
GMレンズの魅力とは?―SONYが本気で作ったフラッグシップ
FE 24-70mm F2.8 GM II(SEL2470GM2)は、ソニーが誇るフラッグシップシリーズ「G Master(GM)」に属するレンズです。この“GM”の名前が付いているだけで特別な存在感があります。単に価格が高いだけではなく、「高画素機を前提にした解像力」と「美しいボケ」、そして「最新のオートフォーカス性能」をすべて兼ね備えたプロ仕様の一本。ソニーが「最高を作る」と決めて開発したのがこのGMシリーズなのです。
GMレンズの大きな魅力は主に以下に挙げる4点だと僕は思います。
- 圧倒的な解像力
- 美しいボケ味
- 高速・高精度のAF
- プロユースを想定した操作性
この1本を持っていれば本当に安心感があります。単焦点レンズに浮気しないで済んでいるのも、このGMレンズの描写力と信頼性のおかげだと思います。
ここからは、上記に挙げたGMレンズの魅力も踏まえて、FE 24-70mm F2.8 GM IIの外観や機能性、実際に使用して分かったことなどをご紹介していきます。
外観と操作性
初めて手にした瞬間に感じたのは「それなりにズッシリと重たい!」というものでした。先代モデルのFE 24-70mm F2.8 GMと比べるとII型は約200g軽量化。全長も短くなり持ち運びやすくなっています。実際にサイズはこの焦点域のズームレンズにしてはコンパクトだと思います。しかし、それでもやはり重たいことに変わりありません。よく他のレビュアーさんやブロガーさんが口を揃えて「軽い!!小さい!!」と絶賛していますが、正直僕はそこまでの軽さは感じませんでした。普段から重たい一眼カメラやレンズを持ち歩いている、ムッキムキに腕の筋肉がついたフォトグラファーの方であればそう感じるかなというレベルです。しかし、その「ズッシリと重たい!」というのは後述する高級感にも繋がるし、このコンパクトな塊の中にたくさんの技術が詰め込まれていて「何かすごい写真が撮れそう」という期待が膨らんだのも事実です。とてもポジティブな思考回路ですね笑
外観

外観は高級感そのもので、レンズ側面の「G」マークが所有欲を満たしてくれます。

操作性
実際にFE 24-70mm F2.8 GM IIを触ってみると操作系の進化が際立っており、実際の撮影でも快適さを実感できました。
中でも以下に挙げるポイントは、FE 24-70mm F2.8 GM IIを使っていく上で快適に感じることができるはずです。
- 絞りリングが搭載され、しかもクリックのON/OFFを切り替え可能。静止画でも動画でも使いやすい。
- ズームリングのトルク調整によって「SMOOTH」と「TIGHT」を選択でき、シーンに応じた操作感を実現。
- アイリスロックで絞りリングの誤操作を防げる安心感。
- レンズフードには小窓があり、PLフィルターやNDフィルターの調整が簡単。
詳しくはこれから説明していきます。
絞りリングの搭載

地味に嬉しいポイントが絞りリングがレンズに付いているということです。カメラ本体のダイヤルではなく、レンズを握ったまま絞りを変えられることは、撮影に集中しているときに自然な動作で操作できることが嬉しいです。加えて、リングのメモリを見れば現在のF値が一目で分かるので、ファインダーや液晶を覗かなくてもいいのが便利です。また、プチ嬉しいポイントですが、カメラ本体側のダイヤルが一つ余るということなので、そのダイヤルを他の操作に割り当てることもできちゃいます。
FE 24-70mm F2.8 GM IIの絞りリングにはクリックのON/OFFスイッチも付いているので、クリックをオフにすればカチカチ音を出さずにスムーズに絞りを変えられます。これは動画撮影者には嬉しいポイントです。

また、アイリスロックスイッチも備わっているので、絞りリングを「A」、または「A以外で絞りが調整できる状態」にロックすることができます。

ズームリングのSMOOTHとTIGHT
ズームリングにはSMOOTHとTIGHTの切り替えが可能となっています。SMOOTHにすることでズームリングは緩くなりスムーズにリングを回すことができます。逆にTIGHTにすることでズームリングは硬くなり簡単には回せなくなります。どちらも絶妙な塩梅で調整されており、緩すぎず硬すぎで使いやすいです。

動画撮影のときにはSMOOTHにすることで、動画を回しながらも一定の間隔でズームすることができ、写真撮影ではTIGHTにすることで不意にズームリングが意図せずに回ることを防止してくれます。ちなみにズームリングをロックするスイッチ類はありませんが、TIGHTにしておけば自重でレンズが伸びることはありません。
AF/MF切り替えスイッチとフォーカスホールドボタン
レンズ本体の右側にはAFとMFを切り替えるスイッチが搭載されています。とっさにAFからMFに切り替えたいシーンで、物理的にスイッチで切り替えられるのはGoodです。また、レンズ本体の上部と左右には計3つのフォーカスホールドボタンが配置されています。(下の画像だとAF/MF切り替えスイッチの上にあるボタン)そうすることで横持ちでも縦持ちでも、ちょうど左手の親指の位置にボタンが来るのでこれは有り難い仕様です。このボタンには任意の機能を割り当てることができます。僕はAPS-Cモードへの切り替えを割り当てています。「ちょっと距離が足りない…」という時に、瞬時に切り替えることができるので重宝しています。(ただし、意図しない時にAPS-Cモードになっていたという経験もあり)

レンズフード
さすがGMレンズ。GMレンズともなるとレンズフードにすら高級感があります。広角域もカバーしているため、レンズ形状は花形フードとなっています。

ちなみにレンズフードを装着したままでもPLフィルターなどを調整できるように開閉する小窓がついています。こうした細かな配慮が撮影現場で大きな違いを生みます。ソニーが“使い手目線”で作り込んだことが伝わってきました。

レンズフードを付けてみた。

化粧箱
GMレンズなだけあって化粧箱も高級感漂うブラックとオレンジを基調としたカッコいいデザインです。

キャリングケース
こちらもGMレンズだから妥協は許さないということなのでしょうか。単体で購入すると随分とお高そうなキャリングケースが付属しています。しかし個人的には使わないので、付属しない代わりに少しでも価格を安くしてくれた方が有り難いですね笑

【作例あり】圧倒的な解像力と自然なボケ味
実際にα7R Vと組み合わせて撮影してみると、このレンズの実力を肌で感じます。
まず特筆すべきは 圧倒的な解像力。6100万画素という超高画素を余裕で受け止めフレームの隅々までシャープ。単焦点に迫るどころかズームであることを忘れるほどの描写力です。
さらに開放F2.8でのボケ味は滑らかで自然。被写体を際立たせつつ、背景は柔らかく溶けるようにボケていきます。特にポートレートでは被写体が立体的に浮かび上がり、まるで空気感まで写し取ったかのようです。


色再現も素晴らしく、特に個人的には青やシアンの発色が好みです。先日、猫島として有名な北九州市の藍島でスナップを撮ったとき、海と空の青さが実に鮮やかで何度もシャッターを切りました。猫たちを撮ったときには、自然光の中で猫の毛並みや背景の質感までリアルに描き出し、このレンズのポテンシャルを強く実感しました。
▶️【撮影記】猫たちが駆け寄ってくる島、藍島でスナップ旅【猫島】


逆光耐性も優秀で、ソニー独自のナノARコーティング IIがしっかり効果を発揮。太陽をフレームに入れても破綻しにくく、夜景やイルミネーションでもフレアやゴーストが最小限に抑えられています。

・ナノARコーティング II
ソニーが独自開発したコーティング技術で、ナノサイズの凸凹を規則的に並べることで、レンズ表面に境界面をなくし、フレアやゴーストの原因となる反射光を大幅に低減。(ナノARコーティング )
さらにその技術を進化させたのがナノARコーティング IIであり、従来のナノARコーティングでは適用できなかった大口径や曲率の大きいレンズにおいても、レンズ表面に均一にコーティングを施すことが可能となった。
正確かつ圧倒的速さのAF
このレンズを使ってまず驚いたのは、オートフォーカスの速さと正確さです。従来のGMレンズよりも進化したXDリニアモーターのおかげで迷いがほとんどなく、被写体にピタッと食いつく感覚があります。特に動きのあるシーン──街中のスナップで通り過ぎる人や、猫がふいに動いた瞬間でもスッと合焦してくれるのでシャッターチャンスを逃しません。
さらに静粛性も高く、動画撮影時にもモーター音がほとんど気にならないのもポイント。写真と動画を行き来するハイブリッドユーザーには安心できる設計です。
🔸FE 24-70mm F2.8 GM IIのAF性能
・4基の高推力なXDリニアモーターとフローティングフォーカス機構を採用
・フローティングフォーカス機構により、ズーム全域で至近から無限遠まで高い解像性能を実現
実際に藍島で猫を撮影したとき、このレンズのAF性能に本当に助けられました。猫って気まぐれで、こちらに向かってきたと思ったら急に横を向いたり、港の塀に飛び乗ったりと動きが読めません。そんな瞬間でもFE 24-70mm F2.8 GM IIのAFとα7R Vの「リアルタイム認識AF」との組み合わせは強力で、猫の顔や目をしっかり認識して追い続けてくれるのでピントを外さずに撮影できました。普段なら「この動きは厳しいかな」と感じる場面でも、驚くほど正確に合焦してくれたのは大きなメリットと言えます。

他のレンズとの比較
では、このFE 24-70mm F2.8 GM IIを他のレンズと比べたらどうなのでしょう。
- FE 24-70mm F2.8 GM(SEL2470GM)
I型と比べるとII型は解像力・逆光耐性・操作性すべてにおいて進化。重量も軽く、携帯性では圧倒的にII型が有利です。ただし中古価格を考えるとI型も選択肢になり得ます。 - FE 35mm F1.4 GM / FE 50mm F1.2 GM などの単焦点
明るさやボケ量では単焦点に一歩譲ります。しかし利便性や撮影領域の広さを考えると、1本で完結できるFE 24-70mm F2.8 GM IIの汎用性は魅力的です。最初の一本として選ぶなら、やはりこの標準ズームが最適解でしょう。
α7R Vとの相性:高画素機のベストパートナー
このレンズがもっとも輝くのは、やはり高画素機のα7R Vとの組み合わせです。6100万画素の解像度をしっかりと受け止め、ディテールを余すことなく描き出します。
さらに、α7R Vのリアルタイム認識AFと組み合わせることで、動きのある被写体も的確に捉えられる。猫や人などの瞳AFも正確で失敗カットが大幅に減りました。機材が撮影者をサポートしてくれる感覚があり、撮影の自由度が大きく広がります。


デメリット:あえて言うなら
どんな製品にも弱点はあります。圧倒的な描写力にとろけるようなボケ感、幅広いシーンで活躍するFE 24-70mm F2.8 GM IIですが、実際に使用している僕が感じたデメリットは以下のとおりです。
- 価格が高価であること。(新品30万円台)
- フィルター径が82mmと大きく、フィルターも高価になる。※他のレンズとフィルターを共有しにくい
- 前述した通り、軽量化されたとはいえ単焦点の軽快さには及ばない。
ただし、これらを理解した上で選べば後悔はしないはずです。
まとめ:標準ズームの完成形
今回ご紹介したFE 24-70mm F2.8 GM II(SEL2470GM2)は、僕にとって「標準ズームの完成形」と言えるレンズです。やや重たさは感じるもののコンパクトで持ち運びやすいというメリットがありながらも、単焦点レンズに負けず劣らない圧倒的な解像力と自然なボケや優れた操作性と逆光耐性。現在使用しているα7R Vという高画素機との相性は抜群で、標準ズームレンズの決定版であり唯一無二のレンズという存在です。まさにソニー標準ズームレンズの王様とでもいうべき存在ではないでしょうか。
確かに価格はお高いですが、その投資に十分見合う価値があります。最初の一本としても長く使い続ける一本としても、自信を持っておすすめできるレンズです。ソニーカメラをお使いの方で標準ズームレンズを探している方、最初の1本をどれにしようか迷っている方、今回ご紹介した標準ズームレンズの決定版FE 24-70mm F2.8 GM IIはいかがでしょうか。
関連記事
今回ご紹介したFE 24-70mm F2.8 GM II(SEL2470GM2)で撮影した写真たちは以下の記事でご確認いただけます。圧倒的な解像力と美しいボケ感を確認したい方はぜひご覧ください。
福岡市:海の中道海浜公園

北九州市:北九州市立総合農事センター

福津市:福間海岸


